胃もたれ

胃もたれ

食物は、口から食道、胃と運ばれ、胃では強い酸性をもつ胃液によって消化吸収しやすいように固形の食物を溶かしてどろどろの状態にします。この仕事には、健康な胃で2~3時間かかるとされ、その間、消化の足りない食物が十二指腸へ降りていかないように、幽門という出口の弁がしっかりとしまって、食物を貯留します。また胃の入り口にある噴門もしっかりとしまって食道方向へと逆流しないように働いており、その間胃は膨らんだ状態になっています。
消化の悪いものを食べ過ぎた時などは、一般的な時間以上に消化に時間がかかってしまい、この膨らんだ状態が長く続き、胃も働き続けるため、胃が重い、胃もたれなどの症状を覚えます。
一時的な胃もたれは誰にでもあることですが、その他にもストレスや、過労によって自律神経が乱れると、胃から腸へと食物を移動させるぜん動運動が上手く働かなくなって胃もたれがおこることがあります。さらに加齢、女性ホルモンの影響などの他、ピロリ菌感染やその他の疾患などで慢性的に胃もたれがおこっていることもあります。続く胃もたれにお悩みの方は、いつでもご相談ください。

胃もたれから考えられる消化管の病気

慢性的な胃もたれをおこす疾患としては、

などが考えられます。

胃もたれの検査と治療

検査

続く胃もたれの原因は、加齢や胃、十二指腸の炎症にかかわる疾患が考えられます。まずは問診で、いつ頃からどのような症状が続いているのか、既往症、薬歴、生活習慣などをお訊きして、必要に応じて触診、血液検査なども行いますが、最も有効なのは胃カメラ検査です。食道や胃、十二指腸の状態を医師が実際に目で確かめて、特徴的な炎症などの病変を確認でき、疑わしい部分があれば、組織を採取して病理検査を行うこともできます。

当院の胃カメラ検査について

治療

症状やおこっている疾患によって治療法は異なりますが、薬物治療と食事や生活習慣の指導などで対応します。

薬物治療

薬物療法としては、胃酸の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬(PPI)、ヒスタミン受容体拮抗薬(H2ブロッカー)などを中心に、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(抗コリン薬)、セロトニン受容体作動薬、ドパミン受容体拮抗薬といった消化管の運動を改善する薬の他、漢方薬として六君子湯なども処方することがあります。

食事で心がけること

消化の悪いもの、胃酸を多く分泌する脂肪分の多い食事、コーヒーや香辛料といった刺激物のほか、お酒を控えて、消化の良いものを中心に摂り、寝る最低2時間前までに夕食を終えるようにしましょう。

生活で心がけること

自律神経のバランスを整えるため、疲労の蓄積に注意し、ストレス解消を心がけます。適度な休養と運動、十分な睡眠が大切です。

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